音楽朗読劇『日本文学の旅』
日本文学の旅って?
架空の図書館を舞台に、日本文学の名作を辿る朗読劇。
時代を超えて愛されてきた言葉と音楽と演劇をめぐる旅路は、なかなかスリリングなものだった。
上演台本・演出 鈴木勝秀
大嶋吾郎(ヴォーカル・ギター) /
鈴木佐江子(ヴォーカル)
作品紹介(抜粋)
『日本文学の旅』は、限りなく音楽に近い演劇作品である。
推しが、推しがAIになっちゃったかもしんない…
推しが人工知能になったりいけないおにいさん*3になったりする舞台、スリリング以外の何物でもないでしょ。何か月ぶりの現場だと思ってる?
なおこの筆者は担当と推しの区別がついておりません。担当と推しが重なるケースなのかもしれない。
色々な感想がありますがここでは主にA.B.C-Zの橋本良亮さんについて思ったことを。
『日本文学の旅』という作品で橋本くんが司書の役を演じたことについて、考えていたこと。
作品としての『日本文学の旅』
まず音楽朗読劇『日本文学の旅』について。スズカツさん(鈴木勝秀さん)これ、作るのめっちゃおもしろかったんだろうな、頭の中大変なことになってるだろうな…などと憧れと失礼の間スレスレな感想を抱きつつ。
楽曲、効果音は1つを除きすべて生の演奏と声(!)で構成。演奏と歌のお二人も結構参加する、というか融合する感じでドキドキした。
冒頭から要所要所で繰り返し歌われていた、ゆったりした響きの歌(おそらくオリジナル?)が頭に残っている。*4
演出とホールのつくりもあってか贅沢なプラネタリウムに来たみたいだった。耳で愉しむ言葉と音の天球儀。もちろん視覚的に楽しい効果もたくさんあり。アシンメトリーでいて対称になるセットも美しかった。*5
印象に残っている台詞(うろおぼえ)
・古来より、音楽と文学と演劇は密接に関わり合っていて、人間にとって重要な娯楽だったわけですね。(司書)
・まぁ俺は、この世から演劇ってものは絶っ対になくならないって、信じてるけどな。(読書家)
珠玉の文学作品の中から選び抜かれた名シーン、名セリフ。90分のあいだ生演奏とともに降り注ぐ力強い言葉の数々。
決して耳ざわりのよい明るいものばかりを選んでいるわけではない。
しかしこれ自体が、舞台演劇作品へのエールのような、出演者たちへの激励のような、祝福のような言葉のシャワー。
そんな力もあるように感じた。
そして、本作品で「司書」を演じた橋本良亮さんについて
いつも以上に勝手に思うことが沢山ある。これを今時の人はク〇デカ感情と呼ぶのかもしれない。
初日の公演を観終えて興奮冷めやらぬ中の思考を言葉に表すとこうだ。
日本文学の旅、あちこち魅力的なんだけど、いいぞいいぞってなるタイミングは幾つもあるんだけど途中で観客の視線がギュッと橋本良亮という人に釘付けというか、こんなに出来るの?!こんなにも?!!、という驚きに満ちた空間がありすごかった
— Qca (@Qstz5) 2020年7月10日
敦盛最期~曽根崎心中を読んでいる橋本くんを見て、今まで見たことのない声色で演じ分けている橋本くんを見て、さっきまでの驚きがまた塗り替えられていく。*6 三日かけて調べて振り仮名を振って、稽古は一週間と言っていたけれど。
どれだけ…どれだけかけて練習して準備したんだろうかと。今までで一番難しいって、これのことだったんだと。勉強めちゃくちゃ大変だったんじゃないのかな。
同じ「強いトーンの声」「穏やかな声」でも作品ごとに違って、そして新納さんの声ともコントラストがあって。呼応するように変わっていくのが心地良かった。
いくつも声色、読み方を使い分けていたのが、本当に…
「日本文学の旅、あちこち魅力的なんだけど、いいぞいいぞってなるタイミングは幾つもあるんだけど途中で観客の視線がギュッと橋本良亮という人に釘付けというか、こんなに出来るの?!!こんなにも??!!!!、という驚きに満ちた空間がありすごかった」
初日観終えた後に浮かんだことを、結局「!!」マークの数程度しか直さずにそのまま次の日の昼に投稿した。
実際に観ていて他の人はどうだったんだろう。聞いてみたいような、でも私がそう思ったんだから、本当はそれだけで良いような。後半更に張りつめていった客席の空気が、一気に橋本くんを向いて凝縮した瞬間があったのは確かだったんだけど。最大瞬間風速。
奇しくもジャニーさんの命日に初日を迎えた本作品。
ジャニーさんに「なんで再開最初の舞台がSHOCKやDREAM BOYSじゃないんだよ」と言われないように、橋本でよかったと言ってもらえるように、頑張ります、なんてゲネプロ後の記者会見で答えていたけれど。
エンタメ自粛期間明けの事務所初の舞台*7がこの作品で間違いなく良かったし、ジャニーさんは後ろの方で観ていたはずだし、僕はA.B.C-Zのファンなんです、と言ってくれたジャニーさんなら、今日の橋本君を見て泣いちゃうかもしれないな、と思った。観ていて後半、急にジャニーさんのことを思い出した。
あとお話としてもこういうの好きそう。選りすぐりの良いシーン沢山集めたやつ。突然のソーシャルディスタンス☆タイム(伊勢物語)とかたぶん好きなやつ。会ったこともないのにジャニーさん好きなもの勝手に決めてごめんなさい。他にも色々。でも好きそうだなと思う。
日本文学――上代文学から世阿弥の演劇論、シェイクスピア脚本の翻訳を含めた近代文学に至るまで――古今東西の様々な文体の作品を辿り、思想と文化を旅し、「司書」というマップとガイドの役を通じて何作品をも複層的に演じる。
言葉を繰り返し声に出して読むことは、栄養を身体に取り込むプロセスと似ている。
咀嚼したものは血肉となる。それがたとえ知らない言葉であっても。
何十、何百年経っても色褪せぬ正真正銘の名文を幾度となく声に出して叩き込む。無数に存在する作品の中でも特に愛されてきた、沢山の人に読まれてきた、言葉の中でも特に意味と力を持った言葉たち。
これまでも様々な大舞台に立ち(と演出家の方が書いてくれていたんです)、演じ切り、俳優になりたいと語っていた橋本くん。
日本語が弱…言葉、漢字を知らないという弱点に、同時にチャームポイントであることにも自覚的な橋本くんが、この司書の役を演じることになったのは激励なのか何なのか、何かの贈り物めいていて…などと。
叱咤激励。『風姿花伝』のところもそう。(と、私は思っている。)
いやギフト?にしては大体スパルタなのが飛んで来ない?と能天気に観測してていつも思う。そういうものなのか、もしかして。
ルードウィヒ・B、コインロッカー・ベイビーズ、デストラップ、蜜蜂と遠雷、コインロッカー・ベイビーズ(2018)、そしての流れがきれいに繋がっているような気がしていて、なんか勝手におもしろいなって思う
— Qca (@Qstz5) 2018年12月13日
良い子~が制作発表された後のツイート
そこに「良い子はみんなご褒美がもらえる」も加わった一つの流れがあり、それぞれゆるやかに分岐しながら「日本文学の旅」にも繋がっている ちょっとだけどまさに良い子は📚…な話も出てきて、あの患者たちとオーケストラが一瞬で脳裏をよぎっていく
— Qca (@Qstz5) 2020年7月10日
それを思い出してのツイート
『良い子はみんなご褒美がもらえる』千秋楽後のブログだったか、その時も難しい作品への挑戦だったけれど、無事にやりきり、俳優さんになりたいと夢を語り、その2年前だったかな、かつては何より自信が欲しいというようなことをインタビューで答えていた橋本くん。
もうその頃の彼ではないから、グループの中でもしっかりしてきて、映画やドラマでも一歩一歩着実に経験を積んで、ステージでの場数ももう数えきれない(はず)。今は自信、あるんじゃないかなどうだろう。
学がないとかやっぱり揃ってそんなことを気にして気にされるのかも知れないけど、それは確かに大きいかもしれないけれど、それだけで出来ることよりはるかに高度な事をやってきてるんだから。
この舞台で演じた経験が更に糧となり揺るがぬ自信に、土台になっていくといいな、と思う。
まあ確かに漢字は読めた方がいい、表意文字とはいえたぶん読みもわかった方がいい。*8
なんてことを、プラネタリウムみたいに輝く舞台を見つめながら。
その場で演奏し歌われる音たちが空間を伝ってここに届くのを「これだよ!」と感じながら。
ただただ無責任に、「橋本くん、よかったねぇ…」と思う瞬間があり。
興奮さめやらぬまま帰路に、家に着いてからもあーでもないこーうでもないって感想を打ち込みながら初日の夜は気づいたら寝落ちていた。感想。そうこれは、感想。思い出したぞ!感想でウォーターすな。
無事に感想という概念を思い出したおかげでこのブログの序盤から感想という言葉を使えております。海馬が生きててよかった。*9
このとにかくよかったね…って勝手に思う気持ちがあって(ク〇デカ感情)、*10 *11
そんな中で迎えた橋本くん27歳の誕生日はなかなか感慨深いものがあった。27かぁ…!お祝いすることが出来てよかった。
スタッフ・共演者の皆さんでこれなら安全に…と方策を編み出して誕生日祝いを実行してくれたのも見ていてとてもうれしかった。
毎週A.B.C-Zのメンバー全員で出演する生放送のラジオが期間中もいつも通りあるのもよかった。今は全員スタジオに集合というわけにはいかないけれど、リモート組も交えて元気な声のやりとりが聞けるのはやはりうれしい。
そして誕生日の数日後、音楽の日のイカしたA.B.C-Zパフォーマンスだけでなく冠番組での衝撃企画ハッシー's ブートキャンプも目撃し、や~やはり底知れぬ…持ち込み企画?またえらいの連れてきちゃった…*12
やっぱりはしちゃんおもしろいな!
と振出しに戻る。きっと永遠にわからない、でもだからこそおもしろいし応援していたくなる何かがずっとある。
遠くからもたくさんの人がこの公演の成功を祈っていた事わかっててくれてありがとう。
当たり前と言われるかもしれないけれど、当たり前じゃない。
わたしが何を祈っても祈らなくてもやることやって結果を出せる人だとわかっている、けれども。
橋本良亮さん、これからもあなたとA.B.C-Z、大切な人たち(犬たち)の未来が暖かな彩りと幸せに満ちたものでありますように。
*1:これを書いている途中でツイッターの『日本文学の旅』公式アカウントから、千秋楽2週間経過後の8/6時点で来場者キャストスタッフそして保健所からも当公演においての新型他コロナウイルス感染情報はなかった、との報告がありました。よかった~!あまり声を大にして言う事でもないのかも知れないけれど、とにかくほっと一安心。そして皆様今後も引き続きご安全に。
*2:橋本くんのブログ(会員制)。不定期更新だが最近けっこう更新があるのでうきうきしている。私が。この脚注機能にもうきうきしている。
*3:AIの部分はそうとも見えるよね、といういち解釈に過ぎないので、かも、なんですけど。いけないおにいさんは『源氏物語』若紫の段の光源氏のことですね。惟光はいい奴。初日聞いたときこっれはいけないおにいさんだ…!と血管がざわめいた。その前に『万葉集』雄略天皇の和歌でヒェッやさおとこ!(読書家曰くナンパの歌か!)心臓が止まりかけていたので余計にくらったのもあるかもしれない
*4:music makes a sound, and you can feel the ground ...
... just believe what you ever want to believe ?と最後ちょっとどきっとする・・・
あんなに聞いたのに覚えていない、その前にあんまり聞き取れていない。
検索してもそれらしきものが出てこないのでおそらくオリジナルなのかなと思っている。whatなのかthatかで意味変わる?どきっとする、というかろくに聞き取れてないのに書くのほんとやめた方がいい。でもずっと覚えていたいきれいな響きの歌。
*5:広いデスク、いいな…!!
*6:というか冒頭からもそうだし、源氏物語~敦盛、曽根崎心中からのロミオとジュリエット序文、と進んでいくにつれて更に驚く。すーっと通る爽やかな声で和歌を詠む司書、微笑みながら読書家に勝負を挑む司書、風姿花伝を読む司書…秘すれば花なりの司書…まるきり何も秘せていないオタク
*7:初みたいです。(公演期間7/9~7/22)
ほぼ同時期に幕を開けたのが宇宙Six(ジャニーズJr.)メンバー出演の舞台「トムとディックとハリー」で、7/11~。こちらは7/19無事に東京千秋楽、8/5に大阪で大千秋楽を迎えました。おめでとうございます!
*8:契約書の文言も特約も細かく確認した方がいいが、これに関してはそこらへんのアラサーよりはよくわかっている…といいな!
そして実際に発声しての読み方で躓くのだろうけど橋本くんのフリガナだったりちゃんと調べておくところいいなーと思う。
*9:なお滑舌という概念に関しては残念ながらこれを書き終えるまで海馬生き返らなかったみたいで、また別で書きたいなと思う。AIぽいと思った箇所や風姿花伝とかの好きな箇所と一緒に。
*10:顔がいいとか脚が長ぁい!とか格好いいとか、沢山あったんだけどまずこの謎の感情が前面に出てくるのでかっこいい!ってこのブログであまり書けなかった。のでいま書いた
*11:他にも日に日に朗読が更にメリハリついて二人表情がダイナミックになったり掛け合いのテンポが良くなってどんどんおもしろくなっていったりとか、ていうかおもしろいんだよ『日本文学の旅』…!脚注で済ましていい内容ではない
*12:その翌日観に行って、普通に観てるのにハッシー隊長が頭を過って大変だった。入隊、おめでとう…